Qグレーダーコース 概要

Qグレーダーとは

activitiy-q-grader-photo-001正式には Licensed Q Grader といいます。SCAA(米国スペシャルティコーヒー協会)が定めた基準・手順にのっとってコーヒーの評価ができるとCQI(場合によってはCQIとSCAAの両方)が認定した技能者のことです。資格は終身ではなく、3年ごとに更新試験があります。最初の有効期間の始期はすべての試験にパスした時点ではなく、最初に参加したコースの実施時期です(例:201X年4月に初めてQグレーダーコースに参加、そこで取りこぼした試験に201X年10月のコースですべてパスした場合、資格の有効期間の始期は201X年4月)。

Qグレーダーの役割

CQI(Coffee Quality Institute)が各国の協力機関(ICP)とともに維持する Q Coffee System において専門的技能者としてコーヒーの評価をすることがQグレーダーに期待される役割です。 なお、Q Coffee System とは、次のような形で、コーヒーの評価から売買支援までが行われる包括的な仕組みです。

  1. コーヒー生産者またはその代理者がICPに生豆サンプルを送る。
  2. 生豆サンプルを受け取ったICPが3人のQグレーダーを選び、当該生豆サンプルの評価を委嘱する。
  3. 選ばれたQグレーダー3人がSCAA方式のコーヒー評価法に基づいて当該生豆サンプルを評価する。
  4. ICPが、Qグレーダー3人の評価結果に基づき、「スペシャルティ」と認められたコーヒーについては「Q認定証」を、「スペシャルティ」と認められなかったコーヒーについては「テクニカルレポート」を発行する。
  5. 「Q認証」が与えられたコーヒーは「Qグレードコーヒー」の名の下に売買することが可能になる。CQIのウェブサイトにも情報を掲載できる。
  6. Qグレードコーヒーが売買された場合、代金の一定割合に等しい額が特定輸入者からCQIに支払われ、CQIのさまざまな活動(生産者への技術指導を行う Coffee Corps など)の原資となる。

前記のうち、(2)から(4)までの部分は「Qグレーディングサービス」とも呼ばれます。詳しくはこちらをご覧ください。

Qグレーダーコース

Qグレーダーとして適性のある者を選抜することを目的とした6日間連続の研修・試験です。コーヒー評価のプロフェッショナルとして必要な味覚・嗅覚が備わっているかどうかを審査する基礎力科目(「センサリースキルズ」や「オルファクトリー」など)から、SCAA方式のコーヒー評価に必要な知識・技能を習得しているかを審査する応用力科目(「カッピング」や「グリーングレーディング」など)まで、8科目19試験で構成されます(下表参照)。

科目名 概要
General Coffee Knowledge 筆記試験 コーヒーに関する一般的知識を問う選択式の筆記試験です。
Sensory Skills Tests センサリースキルズ 味覚に関する科目です。甘・塩・酸・苦という基本の味4種類のうち前3者に関する味覚の鋭敏さについて審査されます。複数の味が混合した場合に受ける印象の違いについても学びます。コーヒーは一切使用せず、ショ糖・食塩・クエン酸の各水溶液を単体または混合して用います。
Olfactory Tests オルファクトリー 嗅覚に関する科目です。コーヒーに含まれることが多い36種類の香りを4つのグループに分けて学んだうえで、各種の香りを識別・同定する能力があるかを審査されます。実習・試験では実際にエッセンスの香りを嗅ぎます。試験は香りのグループごとに計4回行います。
Triangulation Tests トライアンギュレーション 産地等に起因するフレーバー属性の違いからコーヒーを区別する能力があるかを審査されます。試験の方法は、3つのコーヒーからひとつだけ異なるものを官能評価(カッピング)によって識別するというものです。試験は4回行われます。
Organic Acid Matching Pairs Test 有機酸マッチングペア コーヒーに含まれる有機酸について、その生成のメカニズムやコーヒーの風味に与える重要性などを座学・実習を通じて学びます(「有機酸プロファイリング」)。そのうえで、酸を添加したコーヒー液のカッピングを通じて、それぞれの酸の風味を識別する能力があるかを審査されます。
Roasted Sample Identification ローストアイディー SCAA方式のカッピングに用いるコーヒーのサンプルの要件について理解しているかどうか、適切なサンプルかどうか識別する能力があるかどうかを審査されます。
Green Coffee Grading グリーングレーディング 生豆・焙煎豆に関するSCAA方式の評価・格付について、SCAAが定めるディフェクトの種類と等価換算、点数に基づく等級などを学びます。そのうえで、実際に生豆・焙煎豆のサンプルを用いて時間内に的確に格付けができるか審査されます。
Cupping Tests カッピング SCAAのカッピングプロトコルやカッピングフォームについて概説し、カッピングの実習を行います。そのうえで、SCAA方式に基づいてコーヒーの官能評価をする技能があるか、カッピング試験を通じて審査されます。試験は4回行われます。

各科目の内容や筆記試験の出題範囲については、下記のCQIのウェブサイトもご参照ください。 また、6日間の時間割については、下記のPDFデータをご参照ください。